ドライテクニック
2021/09/21
10月より沐浴方法を変更します。
正常分娩では産後3日目から、帝王切開の場合は生後4日目から沐浴を開始します
ドライテクニック
産まれたての赤ちゃんには、羊水、胎脂、血液、胎便などが付着しています。
従来は沐浴でこれらの付着物を洗い流していましたが、近年はドライテクニックを実施する病院・産院が増えています。
ドライテクニックとは、「分娩時には軽く汚れを拭くだけにし、数日経ってから沐浴を開始する」という赤ちゃんの保清方法のこと。
赤ちゃんにとって様々なメリットがあるため、日本でも2000年前後から徐々に浸透し始めたようです。
ドライテクニックのメリット
胎脂とは、胎児の時に皮膚を守っていた白いクリームのような脂分のこと。
この胎脂が、産まれてからも赤ちゃんを守る役割があるということが分かり、その必要性が見直されています。
ドライテクニックで胎脂を残すと、次のような効果を望めます。
- 赤ちゃんを細菌や刺激から守る
- 赤ちゃんの体温を保つ
- 胎脂のにおいが赤ちゃんを安心させる
羊水を残せる
胎脂同様、羊水のにおいも赤ちゃんを安心させます。お母さんのお腹の中から外に出た赤ちゃんは、取り巻く環境が激変します。
羊水を残すことで、その環境ストレスを軽減できると考えられています。
体力の消耗を防ぐ
産まれてすぐの沐浴は想像以上に赤ちゃんの体力や体温を奪い、体重の減少を招くことも。
ドライテクニックであれば、沐浴に比べて体力消耗の心配はありません。
母乳分泌を促す
胎脂、羊水と混ざった産まれたての赤ちゃん本来のにおいが、お母さんの脳を刺激します。
その結果、母乳分泌を促進すると言われています。
黄疸になりにくい
黄疸の発生率が減少するという報告もあります。
おへその乾燥が早い
沐浴で水に濡れることがないため、ドライテクニックだとおへその乾燥が早まり、化膿しにくくなります。
沐浴スタートのタイミング
生後4~5日頃になると、赤ちゃんは新陳代謝が高まり、発汗を始めます。汗を洗い流す意味でも、このタイミングで沐浴を行います。
正常分娩では産後3日目から、帝王切開の場合は術後4日目から沐浴を開始します。
退院後は毎日沐浴を
ドライテクニックを実施するのは、あくまで産まれたばかりの時。退院後は、赤ちゃんの体調が優れない時以外は基本的には毎日沐浴をしてください。
赤ちゃんは新陳代謝が活発なので、汗や垢がたまりやすく、毎日流してあげないと肌の炎症などの原因になってしまいます。
また、抵抗力の弱い赤ちゃんにとって、少しの雑菌でもトラブルにつながる可能性があります。汚れていないようでも、沐浴は毎日必要なのです。